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ドバイは本当に税金なし?所得税ゼロの真実と注意点を徹底解説

ビジネス制度・法規制

「ドバイは税金なし」という言葉に惹かれて、この記事にたどり着いたのではないでしょうか。本記事では、個人所得税や法人税がゼロとされるドバイの「税金なし」の実態を、メリットとデメリットの両面から徹底的に解剖します。所得税やキャピタルゲイン税がない仕組みから、実は存在するVAT(付加価値税)や不動産手数料、そして2023年から導入された法人税まで、知っておくべき情報を丁寧に解説。ドバイの税制メリットを最大限に活かし、移住やビジネスを成功させるための実践的な知識を提供します。

監修者情報

本記事は、UAE移住と国際税務の専門家として現地で多くの実績を持つ、佐藤一郎氏に監修いただきました。フリーゾーンでの法人設立、税務プランニング、不動産投資に精通し、ドバイを目指す方々に信頼性の高い情報を提供しています。

ドバイは「なぜ税金がない」のか?制度の背景

UAEは豊富な石油収入を元に国を築いてきましたが、ドバイは産油量が少ないため、早くから石油依存からの脱却を目指してきました。その戦略の柱が、外国からの投資や人材を呼び込むための「税制優遇」です。個人所得税を課さないことで世界中から優秀な人材を集め、自由貿易、観光、不動産開発を推進。国家のインフラや行政サービスは、石油収入のほか、2018年に導入されたVAT(付加価値税)や、企業活動、不動産取引から得られる手数料などで賄われています。

所得税・法人税ゼロの仕組み

ドバイ(UAE)では、個人に対する所得税、配当税、キャピタルゲイン税、相続税が一切かかりません。これは法律で定められており、給与や事業で得た利益がそのまま手取りとなるため、可処分所得が非常に高くなります。一方、法人税は2023年6月から新制度が導入され、年間課税所得が375,000AED(約1,500万円)を超える部分に対して9%が課税されます。ただし、特定の条件を満たすフリーゾーン企業は引き続き非課税の恩恵を受けられます。

VAT(付加価値税)はある?

「税金なし」のイメージとは裏腹に、ドバイにはVAT(付加価値税)が存在します。2018年から導入され、税率は5%です。食料品や日用品の購入、レストランでの食事、各種サービスなど、原則としてほぼ全ての取引に課税されます。ただし、医療、教育、特定の金融サービス、新築住宅の初回売買などは非課税またはゼロ税率となっており、生活必需品への配慮が見られます。

政府の歳入源はどうなっている?

所得税がないドバイの財源は、多角的に確保されています。限定的な石油収入に加え、不動産取引時の登録料、企業のライセンス料、観光関連収入、そして世界トップクラスの空港や港湾からの収益が大きな柱です。さらに、VATやタバコ・炭酸飲料などに課される物品税も重要な歳入源となっており、これらの収入でインフラ整備や行政サービスが維持されています。

税制ゼロのメリットと実態

ドバイの税制がもたらす最大のメリットは、個人の手取り収入が最大化されることです。これにより生活水準の向上が見込めるほか、貯蓄や投資に回せる資金も増えます。企業にとっては、特にフリーゾーンを活用することで法人税非課税の恩恵を受けながら100%外資での事業展開が可能です。ただし、「税金なし」の裏側で、手厚い社会保障制度は存在せず、医療や教育にかかる費用は基本的に全額自己負担となる点には注意が必要です。

個人にとっての具体的メリット

所得税とキャピタルゲイン税がゼロであることは、個人にとって絶大なメリットです。給与は額面通りが手取りとなり、株式投資や不動産売却で得た利益にも税金はかかりません。これにより、効率的な資産形成が可能となり、多くの駐在員や起業家がドバイに惹きつけられる大きな理由となっています。

起業・法人にとっての恩恵

ドバイに数多く存在する「フリーゾーン」で法人を設立すれば、法人税が免除されるだけでなく、100%外国資本での会社所有や、得た利益の全額を国外へ送金できるといった多大な恩恵を受けられます。2023年から法人税が導入されましたが、年間所得が約1,500万円以下の小規模事業者には非課税であり、スタートアップにとっても依然として非常に有利な環境です。

留意すべき「実はある」税・手数料・費用

「税金なし」という言葉だけを信じて移住すると、思わぬ出費に驚くことがあります。ドバイでの生活やビジネスには、税金とは別の形で様々な費用が発生します。

  • VAT(付加価値税):税率5%が日々の消費にかかります。
  • 不動産関連費用:売買時には物件価格の4%の移転登録料、賃貸時には年間家賃の5%程度の仲介手数料がかかります。
  • 生活インフラ費用:医療保険への加入は義務であり高額です。また、子どもの教育費、高速道路の通行料(Salik)、自動車の登録・維持費など、継続的なコストが発生します。
  • 法人税(9%):2023年6月以降、年間課税所得が375,000AEDを超える本土(メインランド)企業および一部のフリーゾーン企業に適用されます。

VAT(5%)の利用者負担と注意点

消費者として生活する上では、VATは基本的に表示価格に含まれているため、支払いの際に強く意識することは少ないかもしれません。しかし、事業者にとってはVATの登録、申告、納税は義務であり、経理上の負担となります。特に、これから起業を考えている方は、VAT関連の手続きやコストも事業計画に含めておく必要があります。

不動産売買・賃貸時の税・手数料

ドバイで不動産を売買する際には、物件価格の4%にあたる移転登録料をドバイ土地局(DLD)に支払う必要があります。これは売主と買主で折半するのが一般的です。加えて、不動産エージェントへの仲介手数料も発生します。賃貸の場合も同様に、年間家賃の5%程度を仲介手数料として支払うのが慣例です。

生活コスト面の隠れた負担

ドバイには日本の国民健康保険や年金のような公的な社会保障制度がありません。そのため、民間の医療保険への加入が必須となり、その保険料は安くありません。また、インターナショナルスクールの学費は非常に高額です。これら「隠れた負担」を考慮せずに移住計画を立てると、税金のメリットが相殺されてしまう可能性もあります。

今後の法人税導入計画と対策

2023年に導入された9%の法人税は、ドバイのビジネス環境における大きな変化です。ただし、前述の通り、フリーゾーンで特定の事業活動を行う企業は、条件を満たせば引き続き法人税が免除されます。これから法人を設立する場合は、本土(メインランド)とフリーゾーンのどちらが自社の事業モデルにとって税務上有利かを専門家と相談し、最適な法人形態を選択することが極めて重要です。

ドバイと他国税制の比較:どこが違う?

ドバイの税制の優位性を、日本や他のタックスヘイブンとして知られるシンガポール、香港と比較してみましょう。

国・地域 個人所得税 法人税 キャピタルゲイン税
ドバイ(UAE) 0% 0% or 9% 0%
日本 5~45%(累進課税) 約23% 課税あり
シンガポール 0~24%(累進課税) 17% 原則非課税
香港 2~17%(累進課税) 8.25% or 16.5% 非課税

個人の高所得者層にとっては、所得税ゼロのドバイが圧倒的に有利です。法人税に関しても、フリーゾーンの恩恵を受けられる場合は、他の国・地域と比較して競争力があります。

誰にとって「ドバイはお得」か?判断ガイド

ドバイの税制メリットを最大限に享受できるのは、どのような人でしょうか?

  • 高所得の会社員・経営者:所得税ゼロの恩恵を最も大きく受けられます。
  • デジタルノマド・フリーランス:フリーゾーンやリモートワークビザを活用し、税負担なくグローバルに活動できます。
  • * 投資家:キャピタルゲイン税がないため、投資利益を最大化できます。

一方で、子育て世帯は高額な教育費や医療費が税金のメリットを上回る可能性もあるため、慎重な資金計画が必要です。

まとめ:税金なしの恩恵と現実を正しく理解する

ドバイの「税金なし」という魅力的な言葉は、高い可処分所得や有利な投資環境という事実を反映していますが、それは物語の半分に過ぎません。VATや各種手数料といった「隠れたコスト」、そして薄い社会保障という現実も正しく理解する必要があります。ドバイへの移住や事業展開を成功させる鍵は、これらのメリットとデメリットを天秤にかけ、ご自身の状況に合わせた最適なプランを設計することです。まずは信頼できる税務・法務の専門家に相談し、具体的なシミュレーションから始めてみましょう。

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