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ドバイは本当に「無税」?税金制度から移住・法人設立のポイントまで徹底解説

2025.07.01
Feature

ドバイに「個人所得税・相続税・贈与税がない」理由

ドバイは石油収入を背景に政府運営が可能だったため、伝統的に個人所得税や相続税、贈与税といった直接課税を課してきませんでした。近年は財政多角化の政策により、一定の間接税(VATや物品税)を導入しましたが、個人の所得や資産に対する課税は禁止されています。この非課税制度は移住や富裕層誘致を目的とした戦略の一環であり、国際的に見ても非常に稀な優遇税制と言えます。

ドバイで課される主な税金とは?

所得税以外にも、付加価値税、物品税、法人税、賃料や宿泊税、酒類税などの間接税が課されます。

付加価値税(VAT)とは?

ドバイでは2018年に標準税率5%のVATが導入されました。これは消費やサービスに対する間接税であり、ほとんどの商品・サービスに適用されます。ただし、医療や教育、不動産売買の一部、公共交通機関などは免除または0%税率。日常的な買い物でも店舗価格に上乗せされる形ですので、消費行動に応じた負担と位置づけられます。

物品税(Excise Tax)の対象と税率

ドバイでは健康や環境対策として、特定物品に高率な物品税を課しています。例として、タバコ製品は約100%、炭酸飲料は50%、エナジードリンクは100%と高めの設定。これは消費を抑制すると同時に、財政収入も得るためです。企業や輸入業者は申告・納付義務があり、消費者も間接的に価格上昇として影響を受けます。

法人税導入の背景と最新制度

2023年6月、ドバイでは法人税制度が新たに導入され、年間所得375,000ディルハム(約1,100万円)までは0%、それ以上は9%の税率と定められました。この背景には、国際課税基準への適応、OECD/BEPSプラン対策、企業誘致競争の継続があります。なお、フリーゾーン企業には引き続き法人税免除または優遇措置が存在し、通常エリア企業との選択で課税メリットが変わります。

その他の手数料・税金

ドバイでは法人・個人契約に伴う手数料にも税負担があります。賃料には管理費や契約料として約5%加算されることが一般的です。ホテルやレストランでは7%の宿泊・飲食税が別途課されます。また、酒類購入には30%ほどの酒税がかかり、外食や自宅での消費においても負担がかさんできます。これらは非課税の印象を補足する重要な制度です。

ドバイの税制メリット・節税効果

ドバイの税制優遇は個人所得非課税と法人税優遇が両輪となり、移住希望者や起業家にとって魅力的です。個人は給与・ボーナス・資本利益が非課税のため、可処分所得が増加します。法人については、一定水準まで法人税が免除され、フリーゾーン活用でさらに低コストな運営が可能です。間接税のみの負担構造ゆえ、営利活動に集中しやすく、投資や節税プランの設計においても戦略的優位に立てます。

留意すべき税務リスクと日本での取り扱い

日本居住者として、ドバイ所得も日本で課税される可能性、国外転出時課税、外国子会社合算税制などに注意が必要です。

日本の居住者認定と非居住者の要件

日本では「1年間で183日以上国内に住所または居所を有する場合」、居住者に該当し、全世界所得に課税されます。逆に、これを下回り、「非居住者」に認定されれば、日本では国内源泉所得のみが課税対象となります。ただし、帰国時の国外財産調書提出義務や、短期滞在後の再入国時に居住実態を問われるケースがあるため、移住前後の滞在日数や住所変更は慎重な管理が必要です。

外国子会社合算税制の適用条件

日本企業が100%または支配的な外国子会社を保有する場合、一定条件下で日本側に課税される制度「CFC課税」が適用されます。実体要件として、現地での実質的な事業活動、役員・従業員人数、オフィス維持が求められます。要件未達の場合、日本において子会社の利益が直接課税対象となり、節税効果が失われる可能性があります。対策として、実質出資・業務実態の整備、オペレーションの文書化が肝要です。

国外転出時課税(含み益課税)の注意点

日本居住者が国外転出すると、国内に残る金融資産の「含み益」に対し課税される国外転出時課税制度があります。株式や債券の譲渡益、評価益がある場合、その時点で課税対象となり、日本に残留する申告義務が発生。特に高額金融資産保有者は、ドバイ移住に際してどの資産を国内に残し、どれを売却するか、タイミングの調整が重要です。

ドバイ移住・法人設立時の税務手続き

移住にあたっては居住証明(エミレーツID)取得、税務登録(Tax Registration Number/TRN)の申請が必要です。TRN取得後、VAT課税事業者としての登録も義務化される基準※を超える場合、VAT申告や物品税の納付義務が発生します。法人設立では、会社設立登記、ライセンス取得、銀行口座開設が一連の流れです。法人税関連では、経理記録をアラブ首長国連邦(UAE)政府に提出する必要があり、専門家による導入サポートが安全です。

日本企業・起業家がドバイを選ぶ理由

日本と比較すると、法人税率や所得税負担の大きな差が魅力です。日本の法人税+住民税等では30%前後かかるのに対し、ドバイは0~9%で済みます。移住や現地支店設立の手続きも比較的スムーズで、英語対応の公的制度や日本との二重課税防止条約も整備済です。結果として、起業時の手続き負担と税率面で日本より圧倒的に有利であり、拠点分散の戦略拠点として最適です。

まとめ:ドバイ税制の本質と検討すべきステップ

ドバイは「非課税」と聞こえますが、実際には間接税が整備され、法人税も一部導入済です。とはいえ、直接税の大幅な優遇措置は依然強力で、個人所得や資本利益に対する課税負担はほぼ皆無です。移住・法人設立を検討する際は、日本での居住認定、国外転出時課税、CFC制度への対応、現地手続きなど複合的に準備が必要です。まずは専門家に相談し、移住前後の税務計画を具体化するステップを踏み出しましょう。

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