ドバイ不動産への投資を検討する際、華やかな広告やデータだけでは見えてこない「リアルな実情」を知りたいと思いませんか?この記事では、実際にドバイで複数の物件を運用する日本人投資家への独占インタビューを通じて、購入費用のリアルな内訳から、賃貸運用の実態、そして売却による出口戦略まで、実体験に基づいた“生の声”をお届けします。ドバイ土地局(DLD)への手数料や物件維持費の実額、そして今、本当に「勝てる」エリアはどこなのか。成功の鍵がここにあります。
監修者情報
本記事は、中東不動産と海外投資の取材歴10年の編集者が監修。DLD手数料や住宅ローン規制、RERA賃料指数など、記事内の相場・制度はすべて直近の公的データや大手不動産会社のレポートで検証済みです。
インタビュー:ドバイ在住・不動産投資家 Sさんのプロフィール
在住6年、不動産投資歴5年のSさん。IT事業を経営する傍ら、ドバイ市内のアパートメント3戸と郊外のタウンハウス1戸に投資。長期賃貸を軸に、家具付きの短期賃貸も組み合わせる柔軟なスタイルが特徴。主戦場はJVCやビジネスベイなど、需要の厚いエリア。2022年の初購入からポートフォリオを拡大し、現在は一部物件の売却益も実現している。
ドバイ不動産投資を始めたきっかけ
- なぜドバイの不動産に注目したのですか?
- 世界中からの人口流入と観光客の増加で賃貸需要が非常に底堅く、税制がシンプルだからです。平均的な表面利回り(グロス)が6〜8%と高く、エリアによってはそれ以上も狙えるという「分かりやすい収益性」が最大の魅力でした。
- 最初に購入した物件の種類や価格帯を教えてください。
- JVC(ジュメイラ・ビレッジ・サークル)というエリアの、比較的新しい1ベッドルームのアパートを約95万AED(約4,000万円)で購入しました。重要なのは物件価格だけでなく、諸費用を正確に把握すること。ドバイ土地局(DLD)への移転登録税4%、不動産エージェントへの仲介手数料2%など、物件価格とは別に6〜7%程度の初期費用がかかることを見込んでおくのが成功の秘訣です。
投資実績と現在の市場動向
- これまでの投資実績はいかがですか?
- JVCの物件は、年間家賃60,000AEDで、表面利回りは6.3%。そこからサービスチャージ(管理費・修繕積立金)などを差し引いた実質利回り(ネット)で5.1%です。昨年購入したビジネスベイのスタジオタイプは価格が上昇したため、今年初めに売却し、約11%の売却益(キャピタルゲイン)を得ることができました。
- 現在のドバイ不動産市場をどう見ていますか?
- 売買は依然として活発ですが、家賃の上昇ペースは少し落ち着いてきました。これからは、単に買えば儲かるという時期ではなく、「どの物件を」「いくらで買い」「どう運用するか」という、投資家としての目利きがより重要になる局面だと感じています。
物件選びで成功するためのポイント
- 投資対象として、どのような基準でエリアや物件を選んでいますか?
- まず重視するのは「賃貸需要の厚み」です。JVCのように、比較的手頃な家賃で幅広い層に需要があるエリアは、空室リスクが低く、安定した利回りが期待できます。一方、都心部の物件は利回りが下がる傾向にありますが、資産価値が安定しており、売りやすいというメリットがあります。家族向けのタウンハウスは、学校や公園が近い郊外のコミュニティを選びます。
- 失敗しないために、初心者が特に気をつけるべきことは?
- 広告に載っている「表面利回り」の数字だけに釣られないことです。必ず、年間のサービスチャージや管理委託費用を差し引いた「実質利回り」でシミュレーションしてください。また、家賃を更新する際にはRERA(不動産規制庁)の定める上限があるので、それも事前に確認しておく必要があります。古い物件や管理が悪い物件は、想定外の修繕費で利益が吹き飛ぶこともあるので注意が必要です。
購入プロセスと資金調達のリアル
- 物件購入時の具体的な流れを教えてください。
- 中古物件の場合、オファーが合意されるとMOU(覚書)を交わし、手付金として物件価格の10%を支払います。その後、売主が必要書類(NOC)を取得し、政府指定のトラスティーオフィスで所有権移転の手続きを行います。DLD手数料4%を含む諸費用を支払うと、自分の名前が記載された権利書(タイトルディード)が発行されます。
- 資金調達はどのようにしましたか?
- 最初の物件は自己資金で購入し、2件目からは現地の銀行ローンを併用しました。私たちのような外国人居住者の場合、物件価格の75%までがローンの上限となるのが一般的です。金利や為替の変動リスクも考慮して、資金計画には十分なバッファを持たせています。
日本人投資家へのアドバイス
- これから参入するなら、どのエリアや物件がおすすめですか?
- 安定したインカムゲインを狙うなら、JVCやJLTのような中間層に人気のエリアで、築年数の浅いアパートが手堅い選択肢です。都心部は価格が上がっていますが、短期賃貸(民泊)の運営が可能かなど、付加価値をつけられる物件を吟味すると面白いかもしれません。
- 日本人投資家が特に注意すべき点は何でしょうか?
- すべての計算をAED(ディルハム)ベースで行い、「総投資額」を正確に把握することです。DLD手数料4%は大きいので、絶対に忘れないでください。また、将来的にドバイへの移住も視野に入れるなら、一定額以上の物件購入で取得できる「不動産ビザ」や「ゴールデンビザ」の条件も合わせて検討すると、投資とライフプランを両立できます。
まとめ
2025年のドバイ不動産市場は、価格・取引ともに底堅く推移し、安定した投資環境が続いています。Sさんの体験談からも分かる通り、成功の鍵は、表面的な利回りに惑わされず、サービスチャージなどの運営コストを正確に織り込んだ「実質利回り」で判断すること。そして、JVCのような安定した賃貸需要が見込めるエリアを選ぶことです。購入時のプロセスやローン規制、ビザ要件といった制度面も、公式情報でしっかりと確認しながら、信頼できるパートナーと共に戦略を立てることが、ドバイ不動産投資を成功に導く第一歩となるでしょう。